目から鱗?アドラー心理学の褒めない子育て

子育ての定説として「子供を褒める」ことの重要性がさまざまなところで語られています。

しかし、アドラー心理学によれば子育てでは「褒めない」ことが大切だと説明されているのです。

その真意を読み解くと、意外な「褒めて伸ばす」教育の落とし穴を知ることになりました。

ここではそんな落とし穴を説明し、アドラー心理学から伝えられる子育ての秘訣を紹介します。

 

☆褒めてばかりいるとどんな子供になる?

 

子供を褒めて伸ばす、褒められることで子供は成長する、こういった考え方は子供の教育において、多くの大人が抱いているものでしょう。

しかし、その一方で「褒める」という行為、特に子供を褒める場合にはデメリットも含まれています。

例えば、お手伝いをしてくれる子供を褒めてあげると子供はどうなるでしょうか?

褒められたのがうれしくて、またお手伝いをしてくれるようになる可能性はあります。

しかし、それは自分の意志でお手伝いをしてくれているのではなく、「大人に褒められた」という経験が心地よかったために同じことを繰り返しているに過ぎないのです。

つまり、子供が「自分がいいと思う何かをする」のではなく、「人に褒められるために何かをする」人間に成長してしまう傾向があります。

また、大人側にもデメリットが存在します。

一度子供を褒めてしまうと、同じことをされたときに絶えず褒めてあげる必要性にかられます。

それが子供のモチベーションになっている以上、褒めることをやめたときが子供のやる気が途切れるときになってしまうからです。

ここでも、子供の自主性を伸ばすことが困難になってしまいます。

 

☆「褒める」と「叱る」は一緒?対等な関係性は築けない

 

どうして「褒める」ことで、こんなにもデメリットが生まれてしまうのでしょうか?

アドラー心理学によれば、それは「褒める」という行為が子供と対等ではない、上から目線で行われているコミュニケーションだからです。

例えば、部下が上司を「褒める」ことがありえるでしょうか?

そんなことをすれば、上司に「馬鹿にされている」と思われて怒らせてしまうのではないでしょうか。

では、どうして同じことを子供にしてしまうのでしょう。

それは、無意識下で大人が子供を下に見てしまっているからだと言えます。

上から目線で接しているという点で、「褒める」という行為は「叱る」という行為とよく似ています。

子供を叱って育てようとするケースも結局のところ、「叱られないために言われたことをする」子供を生み出すだけで、子供の自主性を伸ばすことにはつながらないのです。

 

☆褒める代わりに感謝の気持ちを伝えて

 

では、どうすれば子供は自主性を持ち、自分の力で正しいことと悪いことに気づく人間に育ってくれるのでしょうか?

そのためには、大人が子供と対等の立場からコミュニケーションをとるように働きかける必要があります。

子供を同じ共同体の一員として迎え入れて、子供に共同体に所属しているという意識を持たせることで、自分以外の他者の利益を思って行動できる人間に導けるのです。

そこで心がけたいのは「褒めて伸ばす」教育ではなく、「感謝を伝える」教育です。

子供がお手伝いをするなど、近しい人のためになる行動をしたときはまず、「ありがとう」と伝えましょう。

「よくできたね」や「すごいね」といった一言よりも感謝の言葉のほうが重要です。

感謝とは自分の気持ちを素直に相手に伝える行為です。

対等だと思っている相手にしか感謝を伝えることはないでしょう。

多くの感謝を伝えられることによって、子共は集団に尽くす喜びを感じられるようになっていきます。

これから子供と接するときには、第一に「感謝する」ことを意識してください。